上手な株式会社設立の方法

平成18年5月から、手軽に株式会社が設立できるようになったわけですが、よく考えてから設立しないと後悔することになりますので、次の点を参考にして設立内容・方法を検討したらいかがでしょうか。設立後に、節税、営業許可取得などのために変更登記が必要となるとその手間と費用の負担が高額になることもあります。
安いから、早くできるからというだけではなく、会社法、商業登記、営業許可、経理などの幅広い知識と経験のある行政書士に依頼されるのがよいと思われます。場合により、お客様自身で設立されるよりも、長い目で考えると、信頼できる行政書士に依頼したほうが、費用対効果が高くなることもあるでしょう。


1、株式会社以外の組織を検討
普通のご商売(建設業、製造業、販売業、サービス業など)であれば、株式会社がよいと思いますが、場合により、合同会社(LLC)、有限責任事業組合(LLP)、合資・合名会社なども検討してみましょう。

2、電子定款の利用とその内容
@定款の作成は、従来どおりの紙による定款作成以外に、パソコンを使った電子定款が作成できるようになりました。電子定款を利用すると、定款用収入印紙代金4万円が不要になりますので、会社設立費用の節約になります。それ以外には、それぞれの長所・短所はありませんので、少しでも費用の節約をお考えの場合は、電子定款の利用をお薦めします。
A定款の内容は、後日、変更する必要がないように考えて作成するほうがよいでしょう。(本店所在地、役員数など)

3、目的
@将来の会社設計を考えて目的を決めましょう。
A営業する業種により、特定した目的が記載されていないと許可申請することができない場合がありますので、特に営業許可等を必要とする業者様は注意しましょう。 (建設業許可、産業廃棄物処理業許可など)

4、資本金及び1株の金額
@資本金額により、設立から第1期と第2期は消費税が免税になります。
A営業許可によっては、一定以上の資本金で設立すると、許可申請が容易になる場合があります。(建設業許可、運送業許可など)
B将来の増資などのしやすさも検討して、1株あたりの金額を設定しましょう。

5、株主
@営業許可によっては、欠格要件があり、それに該当する株主が存在すると、許可申請ができない場合があります。(産業廃棄物処理業許可など)
A株主の同族関係とその持株比率により、節税が可能になります。

6、役員(取締役、監査役)
@営業許可によっては、欠格要件があり、それに該当する役員が存在すると、許可申請ができない場合があります。(産業廃棄物処理業許可など)
A取締役間の同族関係と人数比率により、節税が可能になります

7、事業年度
@消費税の免税期間を考えて、決算日を設定すると節税になります。
A決算日の設定により、営業上有利不利の差が発生する場合があります。(建設業許可業者が経審を受ける場合など)

8、機関設計
内容の伴わない機関設計は、面倒なことが多くなるだけです。最初は、できる限りシンプルな機関設計を検討しましょう。